ソリッド・スプルースのTELESAです。
ソリッド・ボディでありながら最もナチュラルなウッドトーンを備えた響き方をしますからレスポールでも335でもなく175でもないのに、それら全てのニュアンスを兼ね備えている、倍音密度の厚い本来のギターらしいサウンドが特色です。
皆さんはアッシュやアルダーなどの既存のボディ素材のソリッド・ボディの響きはご存知ですが、同時にこれらの素材はソリッド・ボディの特有の素材なのだという点についてはあまり認識されてないのではないでしょうか?
その意味をこう申し上げたら通じますかね?「アコースティック弦楽器のギターやヴァイオリンやチェロなどなど、それらのトップ材にはそうした素材が使われることは無いのです。その多くがスプルース系です」
弦楽器の基本的なボディ・トーンとはスプルース系なんですね。アルダーでもアッシュでも無いんです。
こう申し上げても実際に弾いてみるまではどなたもこの言葉の意味は理解出来ないかもしれませんね。
本来、最もギターサウンドの代表的なトーン材であるスプルース系素材をソリッド構成でエレクトリック・ギターに採用するということは、実は最もベーシックなことであるとも言えるんです。
但し、この素材を分厚い単板材で作り出した場合、形状加工仕上げが困難なのとダメージを簡単に受けやすいので、およそ量産向きではありません。うっかり爪 を立てても即溝傷が入りますし、ちょっとした当て傷でも簡単に凹みます。かと言って、分厚い塗装で覆ったら、この素材を使う意味が半減します。更にはこれ だけの厚さの良質素材は定番素材の数倍の価格になってしまいます。量産は諦めるべきでしょう。
こんなギターはこのワタクシが作らなければ世界中の誰も作らないでしょうから実際に作ってお見せ致します。
あなたのギターに関する既成概念全てが ひっくり返るかもしれませんよ。ソリッド・スプルースを仕上げるのは大変ですわ。アコギ系の様に角断面にセルバインディングでも巻いてしまえばかえって角面の仕上げに関しては楽かもしれません。
幾重にも吹き重ねた塗装も燻煙効果で目痩せが進めば、まるで昔の小学校の机の天板みたいにボコボコに凹んで来ます。単版仕様はアコギの様に薄い材ではない ので目痩せが何倍も起こるのです。ですからソリッド・スプルース仕様の楽器は素材自体は高いわ、仕上げも難しい手間がかかるわで、量産はまず無理ですね。 メーカーさんはお手上でしょう。もしくは安い素材をポリ塗装で固めて仕上げる以外無いでしょうね。それじゃ、材特性が台無しになります。
通常の倍近い手間ひまが塗装だけでも掛かります。やっと真っ平らに仕上げても暫くするとまた目痩せが起きますからね。皆さんも、ソリッド・スプルース仕様の楽器はある程度の目痩せは仕方が無いものと思って下さい。
豊かな味わい深い木の響き、従来の楽器には無かった表現力、時代が経ても代わり映えのしない製品ばかりが多い中でワタクシが提案したかった楽器の一つがここにあります。
このギターではソリッド・スプルース材の響き、スロープヘッド仕様の鳴りや感触、またギブソン・トーン設定でのP−90Wのサウンド、この3つのポイントを皆さんに確かめて頂く為に今回製作したものです。