t.m.pに於ける燻煙処理は25年間程の試行錯誤の結果、木材のセルロースを燻煙処理で硬化させることで素材の強度を20から30%アップと安定化が得られる手法として独自に研究した木材乾燥及び安定化手法です。
通常の燻煙処理無しで製作された楽器の場合、製作から15年程してもまだ乾燥は充分では無いのが実情です。しかし燻煙処理では処理から3ヶ月程で安定化されます。
現在、燻煙の夜間作業は中止し日中のみの作業で1回の処理に3、4日間を要して行っています。1セット/8から10時間を3、4セット繰り返し、セット毎に煙で発生し付着した油膜を対象個体からその都度拭い取る作業です。
処理中の薫煙庫内は濃密な煙幕の為に呼吸がまともに出来ませんし視認が困難な為に完成品楽器の処理はまとめて何本も行うことが出来ません。基本1本ずつ処理を行います。
コスト内訳ですが、t.m.pに於けるアシスタントの時給換算で、1時間/¥1.600×所用時間+完成品のバラしと再組み上げ代金で平均¥15.000+処理時間に必要な煙量を得る為の燃焼材が1時間で¥250程掛かりますので、だいたい1回で¥8.000ほどです。それらの合計が燻煙処理金額となりますので平均で¥80.000程のコストが掛かります。
これは対象楽器のタイプや処理時間などの処理内容により異なります。
@燻煙処理を施した楽器を販売する場合、例えば本体原価がゼロ円の楽器であったとしても、8万円以下の値段になる事はありません。
ですからチューンナップ作業ではその上で各作業内容別にコストが加算されてトータルなチューンナップ・コストになります。
また高額な古典楽器(ヴァイオリン/チェロ/コンバスetc)などは接着剤がニカワですのでより温度を下げて更に長時間処理を行う必要が有る為にギター関係のおよそ倍程のコストが掛かります。
また燻煙処理を受けた時点で楽器の保証を委ねられることになりますので変形や破損が激しい楽器や問題箇所を含んだ楽器の燻煙処理の受付はお断りしております。